真実による支配

今までの人類支配層は、多数を支配するために、真実を隠してきました。

 

ある人生相談の番組で、僧侶が回答していました。認知の親の介護に苦しむ質問者に対し四苦八苦の解説をし、だからその苦しみを理解しなくてはならないという説明でした。僕は苦笑してしまいました。その僧侶が、その質問者の立場にあったら、この回答で苦しみが解消されるでしょうか。えらい宗教者もいるかもしれませんが、大多数の宗教家は教義やお経の助けにより、自分自身が解決できていなくとも、信者を導いていかなくてはならないのです。本当のところは、宗教者自身も苦しみを超えてはいないのです。

 

本当に神が人間を支配していた時代はあったと思います。しかし、人間が意識を持ち、人間になった時、神の支配は無くなりました。代わりに宗教者がその威を借りて、大衆を支配しました。おそらく、多くの宗教者には真の神はなく、異教者を火あぶりにする恐怖で宗教の威圧を伝え、大衆を支配してきたのです。武力の支配は残虐な戦争によって、政治の支配は複雑な官僚機構によって、真実が見えないようにして多数を支配しました。そして現代、富裕層は金融という、大衆には見えない機構によって支配しているのです。武力支配者は、自分たちから「武力」を取ったら支配する資格がないことを知っていて、その不安に震えながらも、その真実を隠し大衆を恐怖に陥れ支配したのです。富裕層は、お金とは単に信用の代替えであり、その信用創造を見破られたら、支配する道具ではなくなるという真実を隠して大衆を搾取し続けているのです。

 

歴史上の真実も隠され続けています。自分たちに都合の悪い真実を隠し、多数を騙して支配している国は今もたくさんあります。ちょっと前、日本を支配したGHQだってそうです。単に今の中国・韓国・北朝鮮だけではなく、アジアの諸国にも隠された事実があることが次第に分かりつつあります。

 

こうして、今までずっと真実が隠され続けてきました。僕も、真実は本当にあるのだろうか、と迷う事もありました。しかし、真実は隠され続けてきたのです。真実は「在る」のです。殺されるときの痛みは「真実」です。しかし、それを見た人、伝える人が、その痛みを伝えず、その都合によって殺された理由を解説する時、真実は消滅するのです。真実とはその人の本当の思いです。

 

真実は伝わりにくい。何故なら、本当の痛みは伝わらないからです。隠された本心は伝わらないのです。

 

しかし今、真実でなければ伝わらないものが力を持ってきました。それは科学です。地球温暖化もゴミ問題も、真実を隠す政治勢力がいくら頑張っても、漏れ伝わる科学によって隠す頃はできなくなりつつあります。インターネットによる情報の公開もその力になっています。今この瞬間、世界は、真実を伝える勇気と人類に対する愛が問われているのです。

 

真実による支配こそ、今までの人類の、少数が多数を支配する構造からの脱却の手段なのです。それが完成した時、人類は、神を失った世界から、神の世界に戻ることが出来ると思うのです。