洗脳からの脱却

ユヴァル・ノア・ハラリ著「ホモ・サピエンス全史」によれば、人類はイメージすることによって大きな社会を作り、他の生物を支配するまでに至ったのだ。イメージとは、目の前にないものでも、見たことがないもので、実在するものとして把握することができる能力である。人類はこれによって、大きな社会、巨大な組織を作ることができたのだ。支配者たちは、そのイメージを人民に刷り込む事によって支配したのである。

 

さらに、宗教の誕生によって、見たことのない神の国や天国地獄を知ることになる。宗教を使った支配者たちは、人々を天国や地獄のイメージによって、恐れと信仰の世界へ導引き、服従させた。長い長い中世暗黒時代は、その頂点である。

 

そして今、まさに我々は、メディアと言うイメージコントロール装置によって、支配されようとしている。人々は、見たことのない世界を、言われるままに信じ、従っているのだ。

 

人類は、イメージを使って地球上に君臨できたが、今まさに、そのイメージによって自分自身を滅ぼそうとしているのだ。イメージ、つまり洗脳によって作られた世界は、分断と対立を生み、人類を仲間同士の戦いに明け暮れる動物としてしまった。

 

僕は、山本太郎のれいわ新選組の登場によって、いかにメディアが真実を報道しないことを知った。そしてさらに、今回のアメリカ大統領選挙の不正隠蔽報道によって、メディアの偏向が想像以上のものであることを認識した。

 

僕の周りの人たち、友人や職場の人間やそして家族までもが、メディアの情報でイメージを刷り込まれていることも再認識した。そしてそれを正そうとしても、その壁がとても厚いことを感じざるを得なかった。普段の生活ではそれほど問題はなく過ごしているのに、アメリカ大統領選挙の問題になると、僕の周りの人間は受け容れようとはしなかったのである。つまり僕は、自分の周りの人たちの、メディアの洗脳を解消することができなかったのである。

 

僕は今の歴史的な変革は、個人個人の内部からの変革よりも、社会的な外部からの変革によって大きく変わるような気がしている。現時点は個人が内部を変革する猶予期間ではないかと思う。しかしそれがなされなくても、外部からの変革によって、人類は歴史的な変革の時を迎えるのだと思う。そしてそれは洗脳の中身を変えるだけではなく、洗脳そのものを克服するものだと思っている。何千年いや何万年もの間続いたやり方の変更を人類が問われている。そしてその変革が行われた時、迷いと不安に陥る人々に対し、優しくしっかりと支えられるようになることこそ、今真実に目覚めた人たちの大切な役割であると思っている。