資本主義社会は自由か?

資本主義社会は、共産主義社会に比べて自由な市民生活ができると言われています。確かに、旧ソ連や、北朝鮮、中国などを見ると、国家権力による統制が厳しく国民の自由がありません。それらと比較したら、確かに資本主義社会は自由が守られている感があります。全体主義共産国家より資本主義国家の方が良いとは思います。

 

しかし、資本主義とは、資本が第一なのです。つまり、資本(結局はお金ですが)をもっていることを良い(出発点)とする考え方です。お金持ちが、そのお金を有効に使い、支払ったお金より多くのお金を得ることが目的なのです。

 

広辞苑では、資本主義とは、

資本家が生産手段を私有し、労働力以外に売る物をもたぬ労働者の労働力を商品として買い、労賃部分を上回る価値をもつ商品を生産して利潤を得る経済。 封建制に次ぎ現れた経済体制で、産業革命によって確立された。

となっています。

 

oxford dictionaryでは、Capitalismとは、

an economic system in which a country's businesses and industry are controlled and run for profit by private owners rather than by the government

(国の経営や産業が政府よりも個人の資産家にりえきをもたらす経済的な仕組み)となっています。

 

だから、資本主義社会では、お金を効率よく、他より素早く使うことが求められます。暖かさとかゆとりとかは、結局の所、評価はされないのです。そして、企業で働く人より、お金を出した株主の方が大事にされるのです。

 

歴史的に見ると、西欧の資本主義とは、封建貴族を倒した市民革命によって生み出されていくものでした。その市民革命とは、王を市民がギロチンで処刑し、王権ではなく、個人の権利を主張したものでした。だから、個人がベースなのです。

 

一方、日本では、確かに封建社会はありました。しかし、その最終段階での江戸時代では、町民文化が栄え、庶民は生活を自分のものとしていた様に思うのです。西欧の様な、市民革命は起こらなかった、いや、そういう革命が必須ではなかったと思います。

 

ここに、西欧の資本主義をという、根の異なる枝を挿木した日本の歪みがあると思うのです。今こそ、江戸の町民文化を発展系とした、日本の社会を作るべきです。日本の風土とは違う、西欧の資本主義ではなく、日本の文化です。もう、資本主義の、個人主義の観点は、見直す時が来たと思います。お金のための人生は嫌ですよね?日本の先達が求めた、人生や社会のあり方を今一度省みる必要を感じます。