高額マスク

マスクが不足しています。スーパーにもコンビニにも置いていません。どうしてこんなに不足しているのでしょうか。こうなるとちょっと供給しただけでは充足できません。例えば1億た2億のマスクを作ったとしても国民1人当たりはせいぜい3、4枚でしかないのです。しかも毎日1枚ずつ取り替えるとしたら、国民1人当たり少なくとも20~30枚、出来れば100枚ぐらいを配らないとこのマスク不足感は解消しないでしょう。

 

そんな中、一部で高額にしてマスクを売る人がいる。需要と供給の論理では至極当然なことですが、どうしても府に落ちない。おそらく何かの手づるで大量のマスクを手に入れ、それを高額でネット販売しているのであろう。困った時の需要に応じて金儲けをする、これはどう考えても納得出来ない。

 

考えてみれば、現在の経済活動そのものが、こういう倫理観のないものなのである。『市場の需要と供給に任せれば、「神の手」が働いてうまくいく』という、イギリスのアダムスミスの言葉の上に経済はあるのだ。経済活動とは、西欧で発達し、植民地や経済格差を必然とし、個人の欲望を認めたものということなのである。

 

第二次世界大戦前の世界を見れば、列強によるアジア・アフリカの植民地化であった。それに対して、日清戦争の勝利で日本が初めて手に入れた台湾統治は、列強の植民地政策とは違っていた。蔓延する疫病対策のため医療体制作り、アヘンの習慣を排除し、ダムを作り耕地を作り、鉄道を敷設しさとうきびによる殖産をしたのである。これは、西欧の経済活動とは違うものだったのである。

 

この世界動乱の機会こそ、今の経済活動の根本を問うべきと思う。あわせて、日本の政治家達の評価と世代交代も行うべきである。