真の価値

本当の価値とは何でしょうか。現代の経済活動で作られているものは、真に価値あるものなのでしょうか。真に価値あるものとは、生きる力が湧いて来るもの、希望の光を見出すもの、有り難みを分かち合うものではないでしょうか。

 

作られた果てしない欲望と競争、余計な仕組み、思考の停止と時間の浪費の提供、これらは価値あるものとは言えません。大量生産と大量消費のベルトコンベヤーによって押し出されたものは、価値あるものとは言えません。僕たちは、人に価値あるものやサービスを提供することによって、お金をもらうはずでした。無理やり押し付けようとは考えていませんでした。価値あるものを作っているはずでした。しかし、現代の資本主義は、真の価値を生み出す仕組みを持たなかったがため、気がついたら僕達は価値を作ることを忘れてしまっていたのです。時間に追われ、効率と能力が評価される社会で生きているうちに、生きる価値すら見失ってしまったのではないでしょうか。そして、経済活動とは、価値を作る事ではなく、生きる糧を得るための手段になり下がってしまったのです。

 

価値あるもの、例えば、赤ちゃんの笑顔、子供の時の冒険や探検の躍動感、学ぶ喜びや達成感、人に気持ちが通じた時の喜び、感謝の気持ち、安らかな気持ち、これらこそ、本来作るべきものなのです。これら真の価値の生産こそ、社会活動の目的なのです。

 

人類は長い間、生き延びることに精一杯でした。食料を確保するために戦い、疫病と戦い、自然の力を恐れていきてきました。しかし、人間はこれらの課題を解決できるようになりました。だからこそ、人間社会は、今の資本主義の欠陥を認識し、真の価値を作ることを社会の目的として据えるべき段階に来たと思うのです。