日本の国体を呼び醒ませ

古事記によれば、仁徳天皇が高い山に登り国を見た時、民の釜戸から炊事の煙が登ってなかったのを見て、「国の内に煙たたず、国みな貧し。故今より三年に至るまで、悉く人民(おおみたから)の課役を許せ」と言われ、3年間税金をとらず、宮殿の雨漏りを箱を置いてしのいだと書かれている。国を知らしめる(治める)天皇とはこのような人であったのだ。

 

人民を「おおみたから」と読み、下々の国民の生活を肌に感じて、治めたのである。国民の生活の苦しみを自分の苦しみとして感じられたのである。日本の国体は、このように国民を宝と思い、その生活に寄り添う為政者によって治められた国だったのである。

 

しかし、今回のコロナ感染における緊急事態宣言とその支援内容を見て、もはやこれは日本の国体を成していないと感じた。国民の苦しみを自分の苦しみとせず、というか理解できず、国民を欺くような(騙すような)パフォーマンスの対応しかできないのである。一生懸命やっている、頑張っていると一見見えますが、その対応は人民の生活が “分かってない”  としか思えない。

 

今回の緊急事態宣言により、僕の警備隊でも、感染拡大防止のため、人員配置と時間を半分にした。ということは、今月から収入が半分になるということである。ローン返済や家賃、そして月々の生活固定費のかかえ、余裕なく生活している人は大変なことである。問題は、今月、来月をどうやって生活していくかということなのである。何ヶ月後の、しかも審査結果による給付金では間に合わないのだ。黙っていても、お金が入ってくる「上級国民」たる政治家や官僚ではこれが分からないのである。

 

官僚は組織の歯車であるから致し方ないとしても、政治家が同じ事をやっては為政者としては失格なのである。こういう政治体制を許してしまった、日本国民のあやまりであり、大いに反省すべき事である。僕は、古事記にあるような、先達の心意気を今一度思い起こし、日本の国体をしっかりと自分の心に植え付けるべく、遅まきながら学ぶ決意をしたのである。