パラダイムシフトを起こすには

小学校の時、始業式の講話で院長先生はいつも「正直に生きなさい」と言われました。僕は、そんなこと言ったって正直ものはバカを見るのじゃないの、と思っていました。そしてその後、残念ながら、社会で見てきたことは、僕が考えていた通りでした。馬鹿正直で真面目な人はうまく生きれません。人目を盗んで賢く生きる人、上の人に上手く取り入れられる人、ポイントを掴んで素早く対処する人の方がうまく生きられます。

 

時代にあった、素早い人、能力ある人が生き残るのです。そしてそれは少数です。それ以外の多数は、搾取され必死になって生きなければならない。それでいいのでしょうか。それが正しいとすると、仮に勝者となったとしても、さらに競争は続きます。競争は益々激しくなり、その勝者の彼等も息苦しくなるのではないでしょうか。

 

昔、僕は、成功とは、努力をした結果であり、そうでなければ這いつくばって生きるしかないんだ、という考え方をしていました。努力して自分を磨くしかないんだと思っていました。でもそれって、結局は、世の中の流れに乗るということなのです。

 

しかし、もしも、その世の中の流れが、誰かの意図によって作られていたら、生命の喜びとは逆の悪魔的意図があったとしたら、自分に正直な人は、この世の中で這い上がることはできません。悪意ある意図に自分を合わせなければならないとしたら、精神的におかしくなるしかないのです。僕は、そうやって追い込まれ、鬱や、引きこもりや、さらには精神障害になってしまった人を何人か知っています。

 

今こそ「正直に生きなさい」が、人類にとって必要なことだったです。何千年も続いた、動物としての人間の生き方をやめないと、人間自身が精神的に崩壊してしまう。もう限界に来ている。それを乗り越えて、人間が、生物としての次の段階に入らなくてはならないと感じます。そしてこれこそ真のパラダイムシフトです。

 

そのためには、今こそ、ゲームやスポーツやバラエティだけに時間を費やすことをやめ、真に学ぶことを始めなくてはいけないと思います。もっと自分自身を知らなくてはいけないのです。自分たちが何処から来て、どこへ向かうのか、自分の頭で考えなくてはならないのです。そして多くの人がそれを始めた時、他人の言いなりになる事を止めた時、パラダイムシフトが起きるのです。