そして今

僕は人と同調することがあまり得意ではない。お酒も麻雀もゴルフも、人と馴染むためには必要なものかもしれないけれど、自分を無理して合わせる気にならないのだ。

 

仮にそうやって生きてきたら、有意義な出会いがあったかもしれない。もっと幅広い人生を歩めたかもしれない。

 

しかし、僕は、組織の中で徒党を組むことも、策略をねることも無かった。媚びへつらったりした記憶も思い当たらない。自分の世界だけで生きてきた様に感じる。

 

騙されたこともあった。病気で休んでいたこともあった。でも、こうやって70歳を迎えるまで、なんとか生きてこれたのだ。妻や子供達も元気に、道に外れることもなく過ごしている。ありがたい、感謝だ。

 

社会的な栄誉や勲章はないけど、今の僕は、気持ちが充実している。心の師と仰ぐ中村天風にも出逢えた。アインランドの哲学書は、僕の感じ方や思考方法がそれで正しいよと応援してくれた。そして何よりも、現代という時代が、自分の頭で考えることの大切さを教えてくれ、僕を休むことなく前進させてくれている。