声の大きい少数派の支配には注意

バチカン教皇庁が、15日「同性婚は祝福できない」との公式見解を発表した。同日フランシスコ一世はこの公式見解は「不条理の差別を示すのではなく、典礼うえの真実の確認である」との見解を示している。

 

僕もこの見解には同意する。先日の札幌地方裁判所での判決で、同性婚の結婚届けを認める見解を示したことに不安を覚えていたが、これで1つの歯止めになったとほっとしている。

 

今の時代は、声の大きい少数派の意見が、進歩的で正しいと言う雰囲気を蔓延させている。報道機関も知識人もそのような意見を述べたてる。はっきり言えば、そのほうがウケもいいし非難されないからだ。僕は、単なるウケ狙いではない、声が小さく黙っている多数派の意見を、ちゃんと代表する知識人が出てくることを望む。

 

トランプ大統領を支持者には、LG BTも同姓愛者も多数いる。トランプ大統領はれっきとした保守派である。中絶にも反対である。でもこうした少数派がトランプを支持すると言うことには注目したい。

 

現在のアメリカのトランプ支持の輪は、サイレントマジョリティー、つまり声の小さい多数派の勝利である。でもそれは、少数派を否定しているわけではない。誠実に生きる、と言うことを言っているだけである。社会を明るくし優しい世の中を作るためには、対立ではなく共感の輪が必要なのである。

 

少数派の意見を聞かないわけではない。それも受け入れてより寛容な世の中を目指すべきである。ただ何百年何千年と続いた大多数の心の中に、その考えが浸透していないのであれば、安易に制度や教義を変更すべきではないと僕は思う。もしかして、いずれの日にか、今の少数派の意見が、多数の意見となる時が来るかもしれない。