69歳の想い

本日12月25日は、僕の誕生日です。69歳のなりました。自分ではそんな歳の実感はありません。まだ50代ぐらいの気持ちです。でももう来年は70歳になるんだと気がつくとびっくりです。しかし、確かに、50代の頃と比べ、気持ちや考えが大きく変わったと思います。今の自分の方がずっと落ち着いて、気持ちもゆったりしています。

 

その大きな違いは、いやが上でも、人生を締め括るらなくてはいけないんだ、と知ったことでしょう。50代の頃は、死はまだまだ先のことでした。しかし今の自分は、いつまで自分に与えられた体が言う事を聞いてくれるか、その間に何をすべきかと考える様になったのです。元気でいられるとして、あと10年。その後は、衰えを感じざるを得ないでありましょう。もちろん、それが先延ばしになることに努力はしますが、それより、体が言う事を聞いてくれそうな、10年間を何に使うべきかです。50代の頃は、死はまだ考えに及ばず、ただ楽しさを追っていたということでした。

 

10年間で何ができるか。それは、自分の魂が本当にしたいと思っていた事を形にする事です。僕には僕が求めるイメージの世界があります。それは、僕が5、6歳頃までに求めていたものでもあります。それは、その昔、座敷童がまだいた頃、その座敷童が喜んだ世界です。あの頃、家には縁側があり、天井裏があり、庭があり、どろんこがあり、池がありました。それは、まさしく、先祖達が伝え残した生活の世界です。その世界のイメージを、僕は思い出し、伝え残したいのです。

 

もうそれほど頑強な体力はありません。出来うる限り、その世界のイメージを心に刻んでおきたいのです。もしかしてそれは、今の人たちが、心の奥底で求めているものかもしれない。それを残したいのです。僕が目標とするのは、座敷童が喜ぶ物です。この秋、子供の求めに応じて、テレビを置く小さな台と、そのミニチュアを作りました。木工をベースに、彫金、革、それに現代の造形材やLEDなどを織り交ぜる事を考えています。楽しく、心温まる、想像が膨らむ、身近に置いておきたい、そんなものに挑戦してみたいのです。きっと座敷童も喜ぶ様な。