内観を深めた人が世を治める時代が来る

僕は、自己主張をする事はあまり得意ではありません。そういう人の前に来ると、僕は急に萎んでしむう。そういう人は、自分を一所懸命外に出そうとしている。僕は、それが耐えられないのです。一方、自己主張しなくても、その人となりが滲み出てくる人がいます。そういう人を前にすると、僕は急に元気になるのです。

 

現代は、自分を主張し、宣伝し、「僕はこんなに能力があるんだ」と言わないと、生活の糧を得ることが難しい。そういう時代です。でも、それって、生きていく上で当然のことなのでしょうか。

 

自己主張し、「勝ち取る」という事は、他人より先に行くということです。もっと言うと、他人が気付いていないことを、先に取ってしまうということです。勿論それには、それなりの努力が必要です。でも、それは、結局のところ、努力したもの同士の、奪い合いなのです。

 

僕は、現代の人間の過ちは、大脳皮質の思い上がりだと思っています。そして、自己主張し、勝ち取るという事は、その大脳皮質の仕業なのです。

 

この世には、自己主張しなくても、立派に生きている人がいます。静かに、誠実に、懸命に、地道に。現代の歪みは、こういう生き方をダサいと軽視する、否もしかして切り捨てる雰囲気が原因かと思うのです。

 

しかし今、アメリカで起きていることは、まさにこの仕組みを破壊しようとしていることなのです。「温厚な人の怒りは怖い」これこそ今、アメリカで起きていることです。静かにじっくりと生きてきた人たちの、心底の力が蘇っていることなのです。