ネーションとエスニック

YouTube小名木善行氏が語っていたことで、印象深かったので書いておきます。エスニックとは、民族主義、即ち民族として共通の価値観慣習を持っているものである。その民族性を主張することによって、血で血を争う争いが絶えなくなっるのです。

 

これに対してネーションとは、国家、つまり民族を主張するのではなく、一つの理想を共有しようという考え方である。国家にはいろいろな民族や風習があるが、それぞれが助け合って生きていこうというのが国家だというわけです。例えば、何か大きな自然災害が起きた時は、他の地域がそれを援助することを約束し、共存していこうと言う事である。ですから、その国家が危機になった時は、あるいは物資を供給し、あるいは兵隊となり、その国家を守っていくことになるわけです。

 

小名木氏によると、日本は奈良時代やそれ以前も、多民族国家であったというのです。大和朝廷を中心とした大和民族、昔から住んでいた土着の民族、そして外国から来た渡来人などです。これらは、どれも違った風習や考えを持って生活していたが、大和朝廷を中心として、国家を形成し共存していたというのです。現在の世界、ヨーロッパなどへの他民族の流入による混乱を見る時、これは驚くべきことであります。つまり、このことは、大和朝廷すなわち天皇を中心として、多民族国家としての国体を作っていたことになります。これは大いに学ぶべきところであります。

 

翻って現在のアメリカの状況を考える時、多民族国家としてのアメリカの理想が共有できていないと思います。アメリカ建国は、ヨーロッパから移住し新しい天地に自由と自分たち自身の幸福を目指していたのではないでしょうか。そのうえで、共有できるものは共有し国を守ってきたのです。しかし、もしかするとその理想は、白人国家であったかもしれません。本当の意味での多民族国家としての理想を実現するために、再度ここで膿を出し正義を貫かなくてはいけません。

 

一般に報道されているところでは、バイデン候補の方がその理想を掲げているようですが、エスニック性を感じます。トランプ大統領の方が、ネーション、つまり国家を追及しているのではないでしょうか。それは今まで民主党支持であった黒人やヒスパニックなどの非白人社会が、今回トランプ支持に回っていることからも分かります。