意識の功罪

人間は、意識を持ち、自分を客観的に見る事が出来る様になったので、複雑な社会を構成できる様になりました。神と一体化した世界から脱却し、自分を外から見る事が出来る様になったので、全体から見た自分の行動を的確に判断する事が出来る様になったのです。これは、意識がもたらした、最大の功績でありましょう。

 

しかし、意識が誕生した瞬間、人は神と一体であった自分を忘れ始めました。そして、自分の周り、すなわち他人との比較を知る様になりました。苦悩と恨みと損得を知る様になりました。これが、意識の罪です。

 

ギリシャ哲学で神からの離脱を試みた人間は、しかし神からの呪縛を解除することはできませんでした。そもそも神から足を踏み出す試みが間違いだったのではないかと思います。宗教は、神の流れをつなぎとめる役割を果たしてきた。こんな風に見えるのです。

 

しかし、何が何でも神からの独立しようとして、神とは別の世界を思いつき、その果ての一つが共産主義なのではないでしょうか。これが意識の最大の罪です。

 

意識は、あくまでも意識でしかありません。意識を駆使して、神を支配したり、拒否したり、はたまた神とは別の世界をこの世に作ってはいけなかったと思います。意識は、脳の一部である大脳皮質で生み出されました。脳の機能としては、全くの新参者なのです。

 

意識はその立場を再度確認し、改めて社会を生命を見つめ直す事が必要と感じます。脳の働きを全体から見直す必要があります。そうする事で意識の罪は解消され、新しい時代がやって来る氣がします。