遠い光

新幹線開業30年史をYoutubeで見ました。戦後復興の十数年で、世界に先駆けて時速220kmの新幹線を作り、30年事故なしの記録を作り上げました。それは、全てが新しい経験であっても、あらゆる問題点を洗い出し対策を打ってきたからです。

 

例えば、信号すら運転手には見えないのです。トンネル内での車両にかかる風圧は今までの常識で考えてはいけません。スピードを出すために継ぎ目のないロングレール使用したが、ではそのメンテナンスをどうするか。砂利やレールをどうやって交換するのか。車両の不具合処理を運転手と管制室とでどの様に連携するのか。考えたらきりがありません。全ての運行を集中管理することは前例がありません。そのための厖大なマニュアルを作成していきます。

 

開業して30年、正確な運行と無事故の安全性は、世界をあっと言わせたのです。僕はここに、日本人の魂があったと思うのです。それは、お金や名誉ではない、ただひたすらに緻密に物事を進める誠実さです。その伝統は、今も新幹線の運行と保守に生かされているはずです。日本の魂がここにまだ残っている、と感じました。

 

その日本の魂は残っていたにしても、その光の元は、遠く先達にあります。遠くに光る明かりを頼りに、僕はその復活を試みようとしています。僕には完全にはできなくても、幾らかでもいいから、僕の人生で、僕にその魂に思い出させておきたいのです。僕は、過去を学ぶと同時に、現在の世界に残る日本の魂を見つけだし、残し伝えていきたいと思っています。