念じる

僕は、幼児が無邪気に遊んでいる姿を見ると、幸せに元気に人生を送ってくれよ、と心の中で願います。幼子の純粋な仕草には、心がとき解される一方、その子がこれから出会うであろう色々な出来事に思いを馳せる時、いつまでもその元気を続けて欲しいと心から思うのです。思いがけない出来事、理不尽な仕打ち、伝わらない思いに負けることなく、最後までその笑顔を持っていてくれよと願うのです。

 

さらに、歳を重ね、還暦を過ぎる頃からは、若い人や、もっと年齢が上であっても、耐えながらも必死に生きる姿を感じると、同様な思いが湧いてくるようになってしまいました。誰でもそう感じるわけでもないのですが、歯を食いしばり頑張る姿を見ると、心から応援する気持ちになります。

 

何故そういう気持ちになるのだろうか。きっとそれは、どこかで僕自身と繋がる思いがあるからでしょう。生きることに、年齢も性別も区分はありません。でもそれが、出会いや遭遇した事によって、諦めや狡賢さや皮肉さや怒りに変わっていくことがあるようです。その罠をくぐり抜け、懸命さを保つには、絶え間ない努力が必要と思います。そうして今、目の前で頑張る姿を見れば、背を押したくなるのは当然です。

 

さて、今日はこの冬一番の寒気に覆われています。朝すれ違った母娘は、ちょっと寒そうな姿で小走りに抜けていきました。マフラーは無いのかな、コートは持ってないのかな。考え過ぎかも知れないけど、昨今の我が国の貧困化の結果なのかと、心によぎります。母子の幸せと希望を念じていました。