偉そうにするな

「偉そうにするな」、これは僕自身に対していっている言葉でもあります。知識がある、経験がある、処理が速い、そういうことで人が人をさげすむことがあるとすれば、それは大変大きな誤りであるという事である。本人の努力も必要ですが、これらの能力の基礎は、人生を形成していくときの、教育や出会いや家庭やなどの人生の資産ともいうべきものがあったからである。そしてさらに、生まれ持った身体的・頭脳的な能力にもよるのである。

 

知識がある、経験がある、といったことに価値がないというのではない。僕は、これらの優越性によって、人が人を見下すことがあってはならないと言っているのである。知識や経験というものは、その人が偉いからその人にやってきたわけではない。たまたま集まってきたといってもいいと思う。だから、それらを持っている人は、それらの能力を他の人に分けてあげる、という気持ちが必要なのではないかと思うのである。

 

ややもすると、能力が劣る人に対し、「そんなことも知らないのか」とか、「こんなの常識でしょ」といった態度や素振りをしてしまうことがある。そのようにされた人が、その能力が不足していることに傷ついたり、さらにはその能力を獲得するときのブレーキになってしまうことも知らなくてはならないのである。能力が不足している人に対しては、その能力を分け与える、知識や経験を分け与える、という心構えが必要と思う。

 

抽象的な表現であったけど、これは僕が妻に対して示してきた態度への反省でもあるのだ。それによって、妻が傷つき、僕との心のつながりを遠ざかってきてしまったことへの反省なのだ。ちょっとした心の態度が、人間関係の大きな違いを作ってしまうと思う。