何をつくる?

僕は、小学生の頃は、何か面白いものを作りたい、という思いで、色々な工作をやっていました。祖父が技術屋であったこともあり、その助言もあって、竹トンボやコマや水鉄砲などの工作から、モーターやランプなどを使った電気工作まで、結構夢中でやっていました。小学生高学年になる頃は、ちょっと難しい電気工作の本に載っている色々な例題を、一つ一つ作っていくことに、達成感を覚えていました。もちろん失敗も沢山しましたが、失敗しても工夫して物を作っていくことの楽しさや心の躍動を、しっかりと身に着けたと思います。

 

そして社会人になってからも物つくりは続いていました。そして、そのための工具や残った材料なども増えていったのです。きっといつか使うだろうという考えで、捨てないものですから、ついに整理しないとどこに何があったかわからくなってしまったのです。

今年になって、僕は一室を工房として再構成することを始めました。やっとそのめどが付き始めたのです。いろいろと整理してみると、木工関連、裁縫関連、革細工関連、電子工作関連、コンピュータ関連、3Dプリンターやロボットなどとなります。いろいろなことをしたんだなあと、つくづく思います。

 

でも一体僕は何をしようとして、こんなに夢中でいたのでしょうか。挑戦する、という躍動を覚えたいからだったのでしょうか。でも、いつまでもそんなことをしていたら、僕は人生で何を残せるのでしょうか。

 

研究者であったら、ある目標に向かって、周辺分野を勉強し、まとめていくでしょう。ぼくの物つくりは、いろいろ挑戦しただけで、定まった目標がないのです。ややもすると、挑戦その物が目標になっていたのです。

 

整理した僕の工房を前にして、僕はこれから何を作ったらいいのか考えています。物を作ることへの意欲はいまだ衰えていないと感じます。でも僕の心がどこへ向かおうとしていて、何を作っていきたいのか、目標設定を始めているところなのです。