考えることを止めた人間

人間は、言葉によって考え社会を構築している。言葉を持つのは人間だけである。逆に、人間は言葉をなくしたら生活ができない。言葉によって生きることを可能にしている地球上の唯一の生物だ。

 

では、言葉がない世界があったとしてら、それはどんな世界なのか。驚くべきことに、人間以外の生物はそのような世界で生きているのだ。しかし、そのような世界を人間は想像することもできないと思う。言葉がない世界を、言葉で説明することは、それ自体が矛盾しているからである。きっとそれは、無の世界、何も感じず、自然の波動その物の世界なのではないか。

 

このことは、「考える」ということにも言える。考えることをやめた世界を、僕ら人間は知ることができないのではないか。考えないという世界を考えるというのは、やはり矛盾である。思考停止の状態、それは言葉を考えた時と同じで、無の世界、自然の波動と一体となった状態、いやそのことすら感じない世界なのではないか。もしかすると、その状態になった時、大自然の力を感じ取れるのかも知れない。

 

こんなことを書いていると、もはや禅問答のようだ。でもこのような、思考停止し宇宙と一体となったような感覚が、いわゆる「悟り」の入り口なのかもしれない。こんな風に僕は考えています。