現実主義と理想主義

理想ばかり主張して、目の前の現実からの議論をしない態度は、僕にはなじまない。しかし、現実にこだわりすぎて、現実の問題から脱却できないでいるのは、それもまた問題である。理想と現実、これはいつも裏表で交錯し合いながら、物事は進んでいく。どちらも大事な要素であり、片方だけでは駄目である。

 

ふと、男女・夫婦関係についても同じだと思った。女性は現実を追いで男は理想を追う傾向があると思う。そうでしょう、おなかの赤ちゃんを第一にしなくてはならない女性と、明日の食べ物をどうしようが考える男性とでは、眼をつける観点が違う。僕はどちらかというと現実派ですが、自分の夫婦関係を顧みると、つくづく、女は現実・男は理想を追うと思ってしまう。若い時は気づかなかったけど、その両者のすみわけに気が付いた時、そしてその両者が必要であると思ったとき、多少夫婦関係が和解したおもう。やはり、男と女両方の違いが必要なのです。

 

実はなぜこのようなことをテーマにしたかというと、それは憲法を考えていたからです。憲法は、好むも好まざるも、理想に走る傾向があると思う。現実をわきまえた上での理想ならいいが、理想だけだとかえって現実を悪くしてしまうかもしれない。(僕の夫婦関係と同じに(笑い))。もちろん、現実を肯定しすぎてもダメだ。

 

例えば、「恒久平和」というのは、理想です。でも「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」というのは、現実を無視しているといわれてもしょうがない。その現実をどう料理していくかを精神として持っていないといけない。ここでも、理想と現実を両方とも無視しない態度を示さないといけないと思う。「戦争を嫌う諸国民が、お互いの差異を認め和すること目指して、恒久平和を願う」というのが、現実と理想を踏まえた内容と思うのだが。