憲法とは

憲法とは、自国および他国に対して、僕たちの国はこういう国です、と宣言するものである。自己紹介の国家版ということになる。何を大切に考えるのか、何を望むのか、他国とどういう態度で付き合うのか、という内容になる。

 

しかし、自分の国を紹介するときに、「僕たちはこういう国です」という立場と、「僕たちはこういう国を目指します」という立場では意味が違ってくる。そして、多かれ少なかれ、この両者は混ざり合って憲法を織りなしている、と考えるのが妥当なところだろう。

 

人間の自己紹介でも、僕は音楽が趣味ですとか、旅行が大好きですとか、まず自分の状況を述べ、それから、ピアノが弾けるようになりたいと思っているとか、イタリアの古代遺跡を見たいと思っているなどと言う。

 

今の日本国憲法は、この観点からすると、こうありたいという理想を骨組みが与えられ、その理想に対して従来の国体を当てはめている、ということと理解している。それは、戦後GHQから提示されたものであるから、致し方ないと思う。

 

でも、今後憲法を新たに書いてみようとする立場では、まず「僕たちは◎◎な国体を持っています」としたうえで、「〇〇な方向を目指します」とした方がなじむと思う。僕はこの方向で憲法を書いてみようと思っている。まずは日本を構成する日本人について考えることから始めてみよう。