何故横書きなの?

母の介護施設転居の手続きで、契約書その他のたくさんの書類に目を通し、署名作業をした。ふと、なぜ横書きなのだろう、と気が付いた。どう考えても、日本語は縦書きがなじむ。書道で横書きなんてありえない。それが、公的文書だからということで、横書きを強制されている。もしかしてこれは戦後から始まっているのではないか。戦前の全面否定から戦後が始まっているので、これも仕方がないことなのか。

 

確かに、数字を書くとすると、横書きでないとだめである。理工学書にしたって、縦書きでは無理である。それは認めたとしても、3桁区切りの表記は日本人にはなじまない。4桁区切りにならんのか。と、さらに、ぼやきも言いたくなる。

 

でも、そうは言っても、ビジネスは横書きですね。数字の3桁区切りも世界の共通として受け入れるしかない。世界の共通言語としての英語を受け入れるのと同じだ。古来、日本人は、外国の文化を消化して、自らの文化に溶け込ませていった。その能力に期待して、横書き文化も取り入れていくことにしよう。

 

しかし、日本人は、英語も横書きも取り入れることにより、自国文化を客観的にとらえるチャンスを持っていることも知っておきたい。日本人が海外での生活をして、日本文化を再評価することは良く知られたことだ。英語横書き文化を取り入れることも、これと同じ働きがあるのではないだろうか。そして、逆に、英語横書き文化を客観視できることにもなる。だから、この観点からすると、英語横書きを自国文化としている人にとっては、上記のような日本人に与えられたチャンスはないことになるのだ。このように考えて、横書き、英語文化も前向きにとらえることにしよう。