命より大切なもの

昨日は二・二六事件の最高機密文書が発見されたことについて書きました。その続きとなりますが、この事件の中に見る日本人の気質について思うところを書いてみます。

 

安藤輝三は山王ホテルに立てこもり最後まで抵抗した首謀者の一人です。彼は、天皇の命令による鎮圧隊の説得を受け入れず、部下に殉ずることなく投降を諭した後、「吾等の六中隊」を合唱しながら自決を計ります。

 

彼は天皇の命令に対して銃を向けることはできないが、自分の目指したものを捨て去ることもできないし、また従ってきた部下たちへの責任もある、いろいろな思いがあったと思われます。そして自分の命より大切なものに従ったのです。

 

この究極の判断には、その時点でなくてはなされ得ない、強い力を感じます。そして日本人の心の中にその力を感じる琴線があるように思います。戦争は賛美しませんが、この心の力は正しく使われるべきものと思います。そして。恐らく、戦後のGHQマッカーサーが最も恐れたものなのでしょう。

 

命より大切なもの、それは正しさです。では何を正しいとするかが問われます。それが何かは僕はわかりませんが、少なくとも物としての命ではなく、魂としての命を大事にするという考え方の上に成り立っているのではないかと思います。僕の今後の課題です。