支配から共生の時代へ

現在は歴史的変換の時代だと思っています。ルネッサンスで開花した人間の力は、その後世界へ波及しました。西欧の人たちは、新天地を発見するや否や、それらを植民地として支配しました。略奪し現地の人間を奴隷として扱いました。

 

その根底には、新天地にいた同じ人間の形をしたものを、自分達とは違う生物であり、支配し奪っていいものであると言う感覚があったのではないかと思う。そもそも西欧社会の哲学の出発点、ギリシャ哲学は、奴隷制度を基本とした社会でありました。同じ形をした人間であっても支配していい、自分の所有物として良い、と言う感覚があったのではないでしょうか。

 

女性の取り扱いに関しても、それは男性の所有物であると言う雰囲気を感じます。万葉集の中に出てくる男女の関係のような、対等でおおらかな感覚は無いのではないでしょうか。そもそも所有と言う感覚は、日本人と西欧人では違うのではないかと思うのです。西欧人は、所有するということは支配することに向かい、日本人の感覚では、共に生きる事に向かうのではないか。

 

僕は、現代の社会変化と苦しみには、奴隷制度を基本とした支配の社会からの脱皮が根底にあるのでは無いかと感じるのです。その方向は、共存共栄の社会です。