気持ちがものを作る

僕の趣味の工作で、一番の気に入りは、模型のフェイスフィールドだ。3cm角位の透明のプラスチックに小さな足をつけたものだ。これを妻は人形用のディスタンスとして飾っている。

 

実は先日、近所の小学生がこれを見て、私にも欲しいと言ってきたのだ。確かにこれはかわいい。小さな人形ように使えばとてもいいのだ。娘も気にいって自分用に1つ持ち帰ったものだ。これを近所の子が欲しいと言ってきたのだ。

 

僕はなんだかもう一つの世界が開いたような気がした。こんな小さなものが子供たちの心を嬉しくさせるのであれば、喜んで作りたい。

 

しかしこの小さな模型の作成には、難しい点が1つある。それは、2ミリ角のプラスチック棒が、しっかりと垂直に立たなければいけない、と言うことなのだ。何しろ扱う相手は小さいものだから、直角を出すのが大変だ。ヤスリでちょっと削るだけで微妙に斜めになってしまう。

 

先日作った時は、簡単なツールを作って直角になるような工夫をした。しかしこれではたくさんを作るのには向いてはいない。そこでちゃんとした治具を作ることにした。

 

ところが、このちゃんとした治具を作ろうとすると、それを作るためにまっすぐの線になるような治具が必要になった。つまり治具を作るための治具なのだ。

 

こんなにまで手間をかけても作ろうとするのは、近所の子に作ってほしいと言われたその気持ちからである。気持ちがものを作ると言うことを、僕は今実感している。