アナスタシア・リン

2018年4月のオスロ自由フォーラムでの、アナスタシア・リンの講演を聞きました。彼女は中国出身のカナダ人で2015年のミスワールドのカナダ代表です。しかし彼女は、ペルソナノングラタと宣言された後、決勝の行われる中国からビザを拒否されました。それは彼女が中国の人権侵害に反対を表明したからでした。中国にいる父親から、中国人権問題に触れるのはやめてくれないかと懇願されます。しかし、彼女は、黙ることではなく、世界にこの事実を発信し父親を守ることが正しいと決心するのです。

 

たとえ投獄されても信仰を止めない法輪功の信者、そのほか迫害を受けるウイグル人チベット人キリスト教徒のために、声を止めてはいけないと決意するのです。無神論を掲げ金銭第一主義である中国当局と戦う、誠実で独立した思考をもつ中国人のために、戦うことを決意するのです。これは2015年のことです。

 

その後、その発信をするために、数々の中国人権問題を問うドキュメンタリーに出演するのです。「再開」という短編映画では、中国の闇と戦う夫婦が、別のルートで中国脱出を試み、何年後、夫が見た人体標本が自分の妻だったと知るという、とてもショックなものです。妻の足には治療のための治具がはめられいたのですが、その標本にはまさに妻の治具が付いていたのです。多くの俳優が、中国問題を取り上げる映画に出ることを拒む中で、彼女は恐れを超えてそれに挑んでいるのです、

 

自分の信仰を諦めない法輪功などの何十万人の「重罪人」が、臓器移植のために死刑執行され、年に1万件の臓器移植が行われています。彼女は彼らのためにも、こうやって声を上げ続けるのだと言っています。

 

沈黙は恐怖を待つだけである