歩む速さと時間の厚み

昨日、約3ヶ月かかった電動丸ノコを使った、木材のカッター台が出来上がった。これを作ろうと思ったのは、娘からテレビの台を作ってくれと言われたからである。

 

実は近年、僕は基本的に釘を使わないで木工をするようになった。そうする事でしっかりとした構造になるからだ。しかしその為には、正確な断面を要求されるのである。例えば、台の足に切込みを入れテーブルを作るような場合、その高さや深さは正確を要する。ノコギリで加工するとどうしてもズレたり、曲がったりしてしまう。これについては、電動丸ノコにはとてもかなわない。

 

というわけで、電動丸ノコを使ったカッター台が必要だったのだ。しかし、市販のカッター台ではサイズも精度も不満足だったので、市販のカッター台を拡張する事でその条件を満たそうとしたのである。これに3ヶ月も要したのだ。

 

でもこの過程で僕は、アーク溶接の手法を学んだ。スポット溶接の準備も出来た。止め金具の知識も増えた。万力の角度調節の治具も作った。そして、これでやっと娘のテレビ台を作成開始ができる。もしかして娘はもう忘れているかも知れないが。

 

今までの仕事のように、効率と速度を要求される場合では不可能な事である。でも、僕は、このゆったりとした厚みのある時間の使い方が気に入っている。しかしひとつのことだけこんなに時間をかけては人生の時間はあまりに短い。だから、複数のことを並行して、ゆったりと進めていくのである。こうすることによって、厚みのある時間をたくさん持つことが出来る。

 

僕の現時点の並行作業は、歴史学習プログラム、Arduino(小型CPU)を使ったオモチャ、ベランダの防水工事、人形用革靴、などがある。