日本は大丈夫か

約一年ぶりに、夜の横浜駅地下街を歩きました。夜8時半、例によって横浜駅はサラリーマンが帰宅を急いでいます。以前の平日ならこの時間はごった返しの状態ですが、コロナ感染の影響でそれほどの混みようではありません。でもこのような状態もだいぶ慣れてはきました。

 

しかし、地下街に入って驚きました。記憶にある夜の繁華街はありません。半分近くはシャッターが下り、営業しているところもそろそろ店じまいの様子です。人が少なく、以前の半分以下です。あのごみごみした活気はありません。

 

売り上げは減ったんだろうなあ、でも大丈夫だろうか、と不安が過ります。これからは、このような中でやっていかなくてはならないんだと知りました。もう人込みを頼りに商売はできません。人とは隔離したネット社会でないとあの人混みは期待できのだと実感をしました。この中で、どれだけの店が、来るべき社会に対応すべく手を打っているのだろう。

 

カードローン情報メディアWiseLoneの調査で、昨年1060の有効回答を基にした結果では、貯蓄の平均値317万円、中央値は100万であると言う事です。1000万以上の貯蓄は一握りで、1060人のうち530番目の人まで100万円以下の貯蓄しかないと言う事なのです。しかも100万以下の貯蓄の分布を見ると、10万円以下が40%で95万円以上が10%となっています。つまり、ほとんどの人が、月に生活する金額の10万円しか手元にないのです。これは衝撃的です。

 

日本は、治安上も経済上も安心して生活できる国でありました。しかし少なくとも経済上の安心感はもうないです。経済的な将来にに対する不安感から、社会的な平穏状態だって不安定になる可能性もあります。

 

夜の繁華街の状況と、この貯蓄の状況を見て、日本大丈夫か?という疑問で笑い事ではありません。今の生活に精いっぱいの人が、この変動の中で将来に対して準備なんか出来る訳がありません。一握りのネット成功者と利権獲得者だけの社会になったら、この日本の社会は崩れてしまう、そんな不安を覚えます。

 

経済の現実、生活の現実をもっと共有し情報を知らせ、不安をあおるではなく、社会として対応する準備へ向かう、そんな健康的な社会を目指さなくてはなりません。問題を先送りし、自分だけは大丈夫という、そんな意識でいたら、気が付いた時はもう手遅れです。政治もマスコミも、みんなして頑張ろうという、自分だけは大丈夫ではない、あの戦後日本が復興できた気概を思い出さなくてはならない。