感情とは

理性と感情は、対峙するものとして語られますが、僕はこの二つは全く違うものと考えています。理性と感情を区分する考え方は、理性の有無で区分しているだけなのです。極端に言えば、いわゆる感情とは、理性が出現するまでの能の働きそのものなのです。理性も含めて、脳の働きの大前提なのです。

 

ただ、理性以外の脳の働きは、普段意識することがありません。感情とは、その理性以外の脳の働きを言葉に置き換えたものなのです。ですから、言葉に置き換えられない、意識に翻訳できない脳の働きは、全く知るよしもないのです。

 

思い返してみれば、感情とは不思議な機能です。好きな色、好きな形、好きなタイプの人など、脳が何でそのような判断をしているのか全くわかりません。例えば、好みの異性の顔とはどうしてあるのでしょうか。その顔形を見た瞬間、好き嫌いの判断がなされ、感情として表われるのです。かつて僕にも好みのタイプがありました。その顔立ちや雰囲気を見ると、共通した点があるのです。

 

人の脳の反応は、予めセットされていて、それが瞬間瞬間に表われる。別の言い方をすれば、前世の記憶とでも言うのでしょうか。そして、これが、人の行動や人生を決めていく。そんな風に思うのです。

 

感情的になり暴力を振るうとしたら、それは良くありません。しかし、そのような面のみを捉え、感情は劣悪なものとするのはいかがなものでしょう。公平に冷静にその動きを内観することが大切です。そして、それこそが人間関係、更には国際関係の解決のヒントになると思うのです。