音楽図画工作体育こそ主要学科

現代の教育の主要学科と言えば、英数国理社の5教科である。なんと英語がトップである、それはさておき。僕は、これ以外の「その他学科」であるところの、芸術がとても重要であることに気が付くようになった。芸術、すなわち、自己表現である。僕は、英数国理社は「基礎学科」で、芸術が「主要学科」とすればいいとさえ思っている。

 

社会に生きていくうえで大切なのは、心を伝えると言う事である。その心をちゃんと伝えられなければ、自分自身もそして相手となる社会に対しても不具合を発生させてしまう。そして、心を伝えると言う事は、同時に心に耳を傾けると言う事でもある。それは言葉として表現できるものもあろうが、言葉になる前の形や模様や色や音などたくさんあるのだ。魂の発露というか、自分の心の表現ができると言う事が、いかに人を安寧に平和にするか、歳を重ねてやっとわかってきた。そして、僕がわずかに頂いた心の表現は音楽である。

 

音楽でなくても、絵画でも色彩でも詩歌でも書でも工芸でもよい、自分の心が求めるものを探求し示せればいいのだ。だから、なにか研究テーマでもよい。探求すること、これこそ人が老いた時に最後にすべきことでもある。そういえば、上皇様が、ハゼの研究で新種を発見されたという記事があった。不遜な言い方を許してもらえば、これこそ素晴らしい魂の表現である。

 

心の探求により大自然に抱かれる気持ちになれることこそ幸せなことである。多くの人が将来に不安を覚え迷える中、今一度、心の表現としての芸術の価値を見直すべきではないだろうか。