コロナ環境の活用

コロナ感染で自宅待機となった家庭も多いと思う。そんな中で家庭問題もしばしば報道に取り上げられる。コロナ離婚、コロナDV。確かにこれは一つの現象であり、看過できない。しかし僕は、今までとは違った生活リズムになり、新しい発見をする家庭も多くあると思っている。明るい話題であるが、えてして報道番組としては視聴率が上がらなく、敬遠されているのではないかと思うところがある。人は、人の幸せより不幸を好むのである。

 

僕自身について言えば、家にいる時間が多くなり、妻との会話も多くなった。僕は妻の事はそれなりに思いやって生きてきたつもりだが、それが正確に伝わってはいなかった。しかし、コロナ騒ぎが始まった時、いざという時の生活必需品、食料、道具の準備、さらには帰宅時の手洗いの用具や浄水器の設置など、考えられることをやった。こう言う危機の場合は男が動くのは当然と思っていたが、妻はこんな風に家庭を考える主人を見たことがなかった様でる。

 

自宅にいる日が多くなってからは、妻をウォーキングに連れ出し、運動不足がない様にしている。勿論三蜜の場所は避け、マスクをしてのウォーキングである。妻は、週何日か通っているズンバダンスやコーラスができなくなっているせいか、僕の誘いに喜んでついて来る。そして、歩きながらの会話は、とても楽しいことに気づいた。道端の草花、遠くに見える山々、思いがけないところにあるお地蔵さん、話のネタに困らない。花の好みが共通していることも嬉しい発見である。

 

それから、僕たちと同じ様な、還暦や古希の老夫婦がウォーキングしているのをしばしば見かける。僕は今までよくウォーキングしていたので、その違いはわかるのだ。仲のいい夫婦を見るのはとても気持ちの良いものである。きっと彼らも、互いの健康を思いやっているのであろう。

 

日中、子供達と遊ぶお父さんも、今まではあまり見かけた事はない。若い夫婦も、子供の手を持ち散歩している。外出が多くなる事は好ましくはないが、確かにこれらは今までにない変化である。家庭にとっても、今までにはない環境で、互いの理解を確かめ合う良い機会ではないだろうか。