日本人の魂、台湾から

新型コロナウイルス対応の事で、台湾から「日本はどうなっているんだ」と戸惑いの声が上がっていると言う。

 

確かに台湾の感染対応は素早かった。台湾は感染者が一人も出ていない1月15日の時点で「法定感染症」に定め、春節の休みを延長して、2月24日まで全小中学校の休校を実施している。勿論中国からの入国は全面禁止である。2月29日になってようやく緊急の休校要請をし、一方で中国からの全面入国禁止に踏み切れない日本とは雲泥の差だ。さらに台湾は、休校中の共働き対策もやっているのだ。日本は、休校要請の後、慌ててその対策をしている。

 

どうしてこんなに差ができてしまったのだろう。僕は、それは政治家の精神の違いだと思う。台湾政府の、台湾人を守るという姿勢に迷いはないように見える。もっと言えば、命をかけている。日本の政治家は、残念ながらその足元にも及ばない。

 

台湾の歴史を見ると、それは中国からの独立の戦い、共産主義という独裁政治からの脱却だった。その中心にいた李登輝総統は、京都大学農学科を卒業し、軍隊で日本人として戦い、日本の魂を学んだ台湾人だ。彼は、「武士道」と言う本を著わし、その高い精神性を述べている。きっとその裏には、台湾統治時代の日本人のイメージがあったのであろう。医学者として社会インフラを整えた後藤新平、同郷の新渡戸稲造は農業を整備し、その精神を英文で「Busido」を著わし世界に発信した。

 

その李登輝は、今の日本をどう見ているだろう。日本はどうした、その精神は我々が守ると言っているようだ。今年総統選挙で圧勝した蔡英文が、97歳の李登輝と喜び抱き合う姿は、親子のようであり、その精神をしっかり引き継いでいる事を知る。日本よ、今こそ台湾から自分を思い出せ。