山本太郎の怒り

山本太郎が、福井市における街頭演説で、「山本さんはどうしてそんなに一生懸命になれるの?」という質問に答えている。質問をしたのは15歳の少年だ。 

 

これに対し山本太郎はこう答えた。

私は芸能界にいた。そして政治社会には無関心でいた。しかし、3.11原発事故でその実態と見た時、これではだめだと思い、発言を始めた。そうしたら、芸能界の仕事が段々なくなっていく。当然その芸能界やマスコミを成り立たせている勢力に怒りを向けた。でも、世の中はそのような仕組みになっているんだと理解したとき、僕は、それまで政治や社会に無関心でいた自分自身への怒りとなった。それが原動力と思います。

 

自分自身の政治に対する無関心さへの怒り、僕は山本太郎の原動力を知った。これはだれにも止めることのできない力だ。だから、無謀とも見える新しい政治にチャレンジしていけるのだ。

 

ふと、アメリカ黒人の人権問題で先頭の立ったキング牧師の言葉が浮かんだ。

 

You are not only responsible for what you say, but also for what you do not say. 

人は「発言する」ことにのみならず、「発言しない」ということにも責任を持たなければならない。

 

黙っていることに責任がある、ということだが、その原因はあきらめた心、そしてその結果としての無関心ではないか。そして現在の多くの日本人が陥っている状況ではないだろうか。

 

山本太郎は、それまで発言しなかったその原因が、無関心であったことに気が付いたのだ。そして無関心でいた自分への怒りが力となった。自分に対する深い反省の方が、他人への怒りより大きな力となるのだ。この事に気付かさせてくれた山本太郎の言葉でした。