二・二六事件の真実

NHKスペシャル 「全貌 二・二六事件~最高機密文書で迫る~」をオンデマンドで見ました。二・二六事件とは1500人の陸軍の決起隊が日本の中枢を4日間にわたって選挙した事件であることは周知のことですが、その真実を語る最高機密文書が今年83年ぶりに海軍の機密文書の中に発見さたとのことです。

 

そもそも二・二六事件とは、昭和11年(1936年)2月26日朝、天皇を中心の政治体制を目指す陸軍の皇道派決起部隊が、警視庁や国会議事堂など中秋を占拠し大臣などを殺害した事件です。その後決起隊は、他の軍人が自分たちに続くものとして期待し情報を探りますが、天皇はこれを反乱軍とみなし鎮圧を命じます。事態収拾を計る接触が繰り返されるも、結局は決起隊の首謀者は自決し大きな戦闘とならずにこの事件は解決します。

 

驚きなのはその詳細が分刻みで記録されていたということです。これにより東京の中枢で陸軍と海軍が一触即発であったこと、海軍がその計画の詳細を事前に知っていたこと、当初判断に迷う天皇の気持ちがあったことなど、この事件の真実が浮かび上がります。そのリアルな記録により当事者たちの心の揺れや決断の瞬間などの緊迫感に触れることができました。

 

ぼくはそもそもこの事件にはそれほど関心を寄せたこともなく、その詳細は知りませんでした。今回この番組でこの事件の全貌を知ることができとても成長できたと思いました。しかしそれ以上に、真実が隠されたままで歴史が語られてきていることに大変衝撃を覚えました。そして真実が明らかになることがいかに大事かということにも気づかされました。

 

実は海軍はこの重要な事実を保身のためか機密として保管した、つまり目に見えないようにしたのです。そして真実はこうして「発見」されるしかなかったのです。組織としての状況はよく理解できますが、一方このようなことは海軍だけでなく、どの組織にも共通することと思うのです。

 

さらにこれは現在の社会問題についても当てはまる気がします。僕たちが真実を知らないまま、一部の勢力の意図によりコントロールされているとしたら、とても怖い道を進んでいると思うのです。真実を知るということはなかなか難しいですが、できる限りアンテナを純な気持ちで張り続けるしかないのかもしれません。