妻、家族

妻はこの夏、人物画を描き始めました。妻自身も自分は絵が下手だといっていましたが、正直言って上手とは言えないです。いつだったか「これ誰と思う?」と絵を見せられ、僕の顔だと聞いて心の中でびっくりしました。「あぁ~そうか、そうだね」と慌ててとりつくろったのですが、その反応は妻も感知したようです。それでも負けずに絵をかいていました。

 

さて、その後、ついこの間、娘からラインで写真が送られてきました。自分の似顔絵を持つ娘自身の写真です。その似顔絵を持つ娘の表情がとても穏やかなのが印象的だったのです。そして似顔絵にはぬくもりがありました。よかったねと返信すると、どこかで会って食事をしているのでしょう、妻の写真も送られてきました。それは久々に見る妻の笑顔でした。

 

「お母さん泣いてんだよ」と、僕が寝ているところに息子が怒鳴り込んできたのは8年前になります。ああ、まだ8年か、もう10年いや20年も前に感じます。僕のちょっとして一言で妻は傷ついたようです。妻のことを気遣っているつもりなのですが、こうなってしまうのです。

 

結婚生活ももうあと2年で40年になります。2人の子も家を出て現在は夫婦2人です。そしてお互いがそれぞれの価値に向かって進み始めたと思っています。育った環境も性格も違うのですからそうすんなりと分かり合えるなんてないですよね。でもじっと自分を深めていけばいいのだということに気づきました。分かり合おうとする必要はないんです。

 

僕は今、小さい頃の自分を思い出し、なにか小さなおもちゃを作ろうと思っています。

 

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