森友事件で提訴

2020年3月18日、元近畿財務局職員•赤木俊夫氏の妻昌子氏が、森友事件の文書改竄に関わり赤木俊夫が死に追いやられたとして、国と元財務省理財局長佐川氏に対し総額1億1千万円の賠償を請求する訴訟を起こした。これは今の安倍政権がぶっ飛ぶような提訴である。政権にとっては、コロナウィルスどころではないものと思う。亡くなられた赤木俊夫氏の冥福を祈り、この事件の終始を以下にまとめておきたい。参考したのは3月18日発売の週刊文春3月26日号である。

 

【人物】

赤木俊夫氏:元近畿財務局職員•2018年(平成30年)3月7日自殺

昌子氏:俊夫氏の妻

佐川財務省理財局長:文書改竄を指示したとされる

池田靖統括官:赤木氏の直属上司

美並近畿財務局長:本件に関して全責任を負うと発言したという

杉田補佐:財務省の担当窓口(理財局国有財産審理室)

相澤冬樹大阪日日新聞記者:当文春記事執筆、元NHK

 

【経過】

◼️2017年(平成29)

⚫︎2017年(平成29)2月8日:豊中市議が国を相手に、森友学園に売却した国有地の売買金額の公表を求める訴えを提起

⚫︎2月9日:朝日新聞がこの問題を記事にする

⚫︎2月17日:国会で昭恵夫人の国有地取引などへの関与を追及された安倍首相が「私や妻が関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい。まったく関係ない」と答弁

⚫︎2月24日:佐川理財局長が国会で「交渉記録はない」「売買契約締結をもって、事案は終了、速かに破棄した」などと答弁

⚫︎2月26日(日)15時30分頃:休日で近くの梅林公園を訪れていた赤木氏に、池田氏から本省からの指示で作業が多いので手伝ってほしいと連絡。16時30分出勤して欲しいと要請。

第一回目の改竄作業。

以後何回か改竄

⚫︎4月頃:赤木氏疲労が重なり、笑うことも喋ることも減。心の支えは7月の人事異動で部署が変わること。

⚫︎6月23日:赤木氏の異動なしと判明。しかも、上司の池田氏も含め、同じ部署の他の人は全員異動。

さらに、国有地売却に関わる資料が全て処分されていた。

⚫︎6月28日のメモに、「18:30特捜部来庁」と書いてある。

⚫︎7月15日:赤木氏精神科受診、うつ病と診断。

⚫︎7月19日:外出先で夫婦食事、震えがすごく顔は真っ青

⚫︎7月20日:病気休暇に入る。(そして復帰することはなかった)

⚫︎大阪地検特捜部の捜査始まる

⚫︎11月17日:職場を通しての事情徴収要請。

⚫︎12月25日:検事から赤木氏へ電話20分間。(事前に医師からは、「病状が悪化するので、手紙かメールで様子を伺う程度で」と聴取は止められていた)

これで病状が一気に悪化する。

「僕は職場に復帰したら検察に呼ばれる。‥検察はもう近畿財務局が主導して改竄したという絵を描いている。‥何を言っても無理や‥本省の指示なのに最終的には自分のせいになる。僕は犯罪者や」

 

◼️2018年(平成30)

⚫︎3月2日:朝日新聞が改竄の疑いと記事を書く。

⚫︎3月7日:赤木氏自殺

⚫︎3月8日:近畿財務局の上司、楠管財部長が自宅訪問、「遺書があるなら見せて欲しい」昌子氏怒る

⚫︎6月:麻生大臣が墓参したいと連絡。お願いすると、「遺族が来て欲しくないというので伺っていない」と国会で答弁

◼️2019年(平成31、令和1)

尊敬していた元上司の池田氏まで、関わらなくなる。夫の死の原因を明らかにしたいが周りに誰もいなく、訴訟を起こし、それで佐川氏らに証言求めようと考える。

◼️2020年(令和2)

⚫︎3月7日:3回忌

⚫︎3月18日:昌子氏提訴

 

死の直前に書いた遺書の締めくくり

刑事罰、懲戒処分を受けるべき者

佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画局長、田村国有財産審理室長ほか幹部

担当窓口の杉田補佐(悪いことをぬけぬけとやることができる役人失格の職員)

この事実をしり、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。

事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。

今の健康状態と体力ではこの方法を取るしかありませんでした。(五十五歳の春を迎えることが出来ない儚(はかな)さと怖さ)

家族(最も大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊したのは、本省理財局です。

私の好きな義母さん、謝っても、気が狂うほどの怖さと、辛さこんな人生って何?
兄、甥っ子、そして父、みんなに迷惑をおかけしました。

さようなら