自己実現的予言

経済学者中野剛志氏のYoutubeを見て、なるほどと思ったので書いておきます。項目としては、①自己実現的予言、②センメルヴェイス反射(確証バイアス)、③認識共同体の3つです。まず①の自己実現的予言から。中野剛志氏の言葉を僕の理解によって書いていきます。

 

僕は世界は裏で操る人がいて、その意図で動かされているという感じを持っている。でも、その操る人とて、更に後ろで操る何かがあると思うのだ。その一つが今回の「自己実現的予言」なのだ。

 

中野氏はいくつかの例を挙げている。

1)銀行破綻

あの銀行はやばいと噂が立つ。⇒そうじゃないと否定しても、噂による不安が勝る。⇒誰かが預金を引き出す。⇒不安が広がり預金引き出しが続出。⇒その銀行は破綻する。⇒ほら、言った通りやばかったでしょ?

2)黒人は知能が低い

黒人は劣っているという考えが浸透する。⇒黒人の教育的機会が減少。⇒黒人の知的水準が下がり、社会的問題が多発。収入が減り貧困層が多くなる。⇒ほら、黒人はやっぱり劣っているでしょ?

3)グローバル化

これからは外需だ。⇒海外との競争で価格を引き下げる。安い労働者移民。契約社員。⇒給与が下がり内需が減る。⇒ほら、外需でしょ?(インバウンドに頼る観光地)

 

4)少子化

人口が減少するから経済が破綻する。⇒緊縮財政。消費税増。⇒子供を作れない。⇒少子化。⇒もっと節約しなくては。

 

 これはどれも、前提が正しいとは言えない。または、何かの思い込みなのである。考えてみれば、土地の価格や、株価だってこれと同じで、その前提によってより加速されてしまう現象だ。僕はこの現象は、占いにも当てはまると思う。例えば、今年は新らしいことをやると失敗する。(占い)⇒株を買ってみた。損をした。⇒やっぱり今年は新しいことはだめなんだ。と言う事になる。

 

思い込みによる自己実現による弊害を避けるには、より大きな観点で自分の行動や社会の情勢を分析するしかない。また、そういう現象があるという理解の上で、行動することである。

 

特に中止すべきは、悪意の有無にかかわらず、マスコミの報道である。それに踊らされることは現に慎むべきと、改めて思う次第である。