点と点をつなげる

アップル創業者のスティーブ・ジョブススタンフォード大学での卒業式講演を聞きました。その中の一つのテーマが、点と点をつなげる、というものでした。講演の中で知ったのは、彼の生まれは裕福ではなく養子に出されましたが、その家庭も決して豊かではなかったと言う事です。でもその親が貯めたお金で、何とかカレッジに進学するのです。

 

しかし、その学生生活は彼の気持ちを満足させるものではなく、お金の無駄と判断した彼は、半年で中退してしまうのです。でもそのカレッジは、手書きカリグラフィの分野でトップクラスであり、すべての掲示板が手書きで書かれていたのです。中退後、彼は友人の下宿に泊まり、コーラの瓶を回収して収入を得ながら、カリグラフィを学ぶのです。彼はその生活を心から楽しみ、人生の最も良い決断だったと回想しています。

 

彼は、自分が心から楽しいと思う事しかやらなかったと思えます。その後、友人のスティーブ・ウォズニヤックとコンピュータを考案しMacを開発する時、かつて学んだ「手書き」文字を思い出すのです。その思想はマイクロソフトでも採用され、全世界に普及します。

 

「人生の点と点が将来どのように結びつくかは分からない。しかし、将来において、その点と点は結びつくのだ。」ジョブスはこういいます。手書き文字とコンピュータが結びつくとは、彼自身も分からなかったでしょう。しかし、その全く違う分野が彼によって見事に結びつくのです。

 

僕も、ジョブスと同じような感覚を持っています。過去にやってきたことが、現在の自分のやることの中で結びついている。過去にやったことは生きていて、今の自分に結びつき、礎となっている。そう感じています。ただ残念ながら、僕は、ジョブスのように20代で自分のやりたい事(コンピュータ)を見つけられなかったけれども。

 

僕はもうすぐ70歳です。でも気持ちはジョブスの20代です。人生を、人間を、宇宙を信じて、前向きに生きていこうと思うのです。