EUも反中国に転換しはじめた

安倍首相がこれ辞任し、今の政局は次期総裁の件でもちきりである。支持率が30%台に低迷し、不支持が過半数を超える今、残念ながらその反省の動きがみられない。また、野党も何も言えない状況である。政治の不信を醸成させてしまった責任は重いが、その政治家を選んでしまったのも国民である。またもや、国民の感情とは違う力関係で政治が動いてしまう感じがしてならない。僕としては、中国に対する世界の動向に日本が取り残されないことを願うものである。

 

さて、目を世界に向けると、中国の国際的孤立感が高まっている。月末からイタリア・オランダ・ノルウェー・フランス・ドイツを訪問している中国の王毅外相は、中国とEUの関係強化どころか、ウイグル人権問題や香港問題を指摘され追い込まれた感じだ。EUで最も親中であったイタリアでは、コンテ首相は会談を断り、外相とだけの会談となった。5Gでも中国のファーウェイ取消となっている。また、同日ローマを訪れていたカナダの外相からは拘束されているカナダ人の開放を要求されている。そしてオランダの外相からは、香港の民主派新聞アップルデイリーの創始者ジミーライの逮捕、議会選挙の延期への疑念を呈された。また、ノルウェー王毅外相は、香港の民主化運動へのノーベル平和賞にくぎを刺したが、果たしてどうなるであろうか。ノルウェーのノーベル委員会は2010年にも中国の獄中の民主派作家、劉暁波に平和賞を決めている。今の情勢からするとこの流れは止められないと思う。

 

孤立感を深める中国がEUとの関係強化に動いたが、逆の風をふかしてしまったように見える。さて、最後の訪問国はドイツであるが、果たしてどのようは会談になるか注目である。メルケル首相はファーウェイ5Gを容認で押し切るであろうか。今後のEUと中国の関係を見るうえで見逃せない。