どうしてベンツやBMWなの?

僕は横浜みなとみらいのある施設の警備員をしている。その施設併設マンションは、いわゆる億ションという高級マンションである。僕は今まで当然のこととして受け止めていたが、よくよく考えると不思議に思うことがある。ほとんどの車が外車なのである。ベンツとBMWが圧倒的であるが、アウディやMINIやVWなどの大衆車、さらにジャガーやポルシェやロールスロイスと並んでいる。

 

もちろん日本車もあるが、なにか場違いな感じに映る。ましてや、軽自動車などは気恥ずかしそうな感じである。でも、どうして、こんなにも、外車なのであろう。日本車も高価になり、それなら外車がいいという選択あるのかと想像もするが、どうもそのようは感じには見受けられない。最初から外車ありきで、どうだと言わんばかりに見える。

 

最近はベンツのGクラスという、オフロードタイプが急に増えた。ちょっと昔の古きアメリカを忍ばせる外見である。それにしても、これで日本の街並みを走ってなじむのであろうか疑問である。かっこいいとか、人目を惹くとかいうことがこの車を選択する理由なのであろう。

 

気分を変えるとか、ファッション性とか、そういう意味では外車は日本車にない雰囲気を持っている。でも、こうまでして、外車で気持ちを高揚させる気質は何であろうか。日本車より外車をランク上とみなす精神構造はどこからきているのであろうか。

 

昔、明治維新の志士達は、外国の文明のすごさに圧倒されそれに追いつこうとした。しかしこうまでの外国崇拝の精神は、戦後の日本人の中に生まれたものではないか。外国はすごい、日本はだめだという精神土壌がどこか僕らの心の中に潜んでいると思うのである。外国のまねをしたが、精神までは奪われなかった明治の志士たちのことを思えば、僕たち現代の日本人は、今一度自分たちは日本人であることを再認識する必要があると思う。