社会変革の前には思想変革がある

都知事選は小池百合子の圧勝で終わった。決してこのままで良いとは思わないけど、コロナ騒ぎで大きな変化を望まなかったのだろうか。既存勢力とそれを望む人が意外に多いとも感じられた。

 

しかし一方で、今に体制に敢然と立ち向かう山本太郎にも一定の得票はあった。昨年の参院選における勢いはなかったが、落ち着きと定着感が感じられた。この流れは一時の興奮ではなく、現在の体制に対する思想的批判の芽生えでもある。世の中が、金と力を正義とする思想に対し、それに対抗しえる力の存在を確認し始めたと思うのだ。

 

歴史をかえりみても、大きな変革の前には個々人の考え方に変化があった。14-16世紀のルネサンスは、長い間宗教抑圧に支配された人間が、自分自身に目覚めた事がきっかけであった。15世紀のダ・ヴィンチミケランジェロが人間の才能を開花させ、16世紀にはガリレオ・ガリレイが「それでも地球は回る」と言った。神の支配から人間が目覚めたのだ。

 

18世紀の産業革命や文芸の興隆は、それでも権力を握る君主から市民が目覚めた背景があるのだ。

 

そして21世紀の現代は、一部の権力をほしいままにする富裕層に対し、多数の人民の目覚めによる革命なのだ。一部の人間の悪あがきが暴露されつつある今こそ、思想が変換している時であり、社会変革の前夜ではないでだろうか。